通勤電車で前にいた女(1)

adachi-mamoru2009-02-27

最初は俺だって、そんな気なかった。


いつもより早い時間に会社が終わったから
今日は早く帰ろう、と定時(18時)に会社を出ただけだったんだ。

いつもは残業が多く、決して乗ることのない帰宅時間の車内。
風景はいつもとはまったくの別物だった。


きづくとギュウギュウで身動きもとれない。
カバンの位置さえも変えられない状態だ。


こんな早い時間に帰る人がこんなに多いなんて
仕事まわってるのか、なんて思ったりして、
出社時よりもひどいラッシュに、少しイライラし始めてもいた。



そんな俺の前に、髪の長い女性が立っていた。



最初は20代ぐらいかな、いいオンナだな、
ぐらいにしか思っていなかった。
向こうを向いていたしね。


だが白いブラウスに茶系のスーツ。
同系色のタイトスカートからすらりと脚が伸びている。




そして運が良かったのか、悪かったのか、
満員の電車のいたずらで
オレはこの女性に密着することになってしまった。



彼女の長い髪が、目の前数センチのところにある。
こんなに女性と近づけるならラッシュも悪くない、なんて思った。
そして、ほのかに薫る甘いローズ系の香り……


自分の下半身が、タイトスカートスカートにおしつけられていた。
彼女のヒップは、生地の上からでも、まろやかでボリュームがあるのがわかる。


すぐに下半身が硬くなり始めた。



こんな時どうすればいいのか。
カバンで股間をガードしたいが、ギュウギュウ詰めの車内で
動かすこともできない。


やばい、静まれ、と思ってはいるのだが、
分身には、そんな気配は一向にない……。


それどころか、しばらく女性とも遠ざかっていたせいか
ひさびさのやわらかい女体に、もう天をつくほどにいきり立っている。



おもわず「ごくり」と唾をのんだ。



きっと彼女だって
オレがやばいことになっていることにきづいているだろう。



逃げるように距離をおこうしているのがわかる。
だが、満員電車がそれを許さない。


いけない、と思いながらも
興奮していたオレは、乗った車両が特急だったことに感謝していた。


そして次の駅までの数分間、下半身に意識を集中させた。



正直、密着を離そうと思えば多少はできたのかもしれない。
だが、オレはそうはしなかった。


むしろ逃げようとする彼女に極力近寄り、
下半身を押し付けていた。
そしてあろうことか、ピクピクと
自分自身を意識的に動かしさえした。


なぜだろう。


彼女がオレを「痴漢です!」とつきだしていたら
言い逃れはできないず、一巻の終わりなのに。



仕事で疲れきっていたせいか、どうでもよかった。
神が与えてくれた、この時間を楽しもうと思っていたのだ。



ピクピクと動かしたとき、彼女がハッとした。
そして一瞬こちらを見ようと横を向いた。


やばい!


顔を見られてしまう。


だが、むしろ俺も彼女をみた。
顔を見られる恐怖よりも、
相手の顔を確認したい欲求がまさっていたからだった。


目は……



あわなかった。



だが、予想以上に美人そうだった。
しかとはわからなかったが、
何せ顔と顔は数センチの近さだ。


長いまつげはわかった。
色白で肌もきめ細やかそうだ。
うなじもそそる。


急激に妄想がわいてくる……。



「いやぁぁぁぁ、やめてぇぇぇ」と嫌がる
彼女に無理やり自分の分身をくわえさせ
深々とグラインドしたい!


そして、スカートをはいたままの姿で貫く。

そして、そのまま裸にひん剥いて
容赦なく、分身を突き入れる。



しばし妄想をふくらませると、
鼻から息を深く吸い込んだ。



彼女の匂いを、吸い込んでおきたくなったのだ。


あぁー、たまらんと、
分身は、さらに大きくなっている。



と、ここで夢の時間は、終わった。
次の停車駅に着いたのだ。



ドアが空いたとたん、密着していた体が離れる……。
その瞬間、彼女が駅で降りていった。



どうする?




自分の利用している駅は、さらに2つ先だった。
だがその時、オレの中のスイッチが入っていた。


オレは迷うことなく、下車した。


普段は必死で隠している
ドス黒い欲望に火がついたのだ。


こいつは、なかなか抑えようがない。


オレは深く考えず
彼女の後ろ姿を追った………


(つづく)