通勤電車で前にいた女(5)
ある金曜日の深夜0時前後だった。
俺は飲み会から帰ってきて、香織の部屋を覗いた。
部屋の電気は薄暗かった。
「なんだ、まだ帰ってないのか……」と思い、
風呂に入ろうとしたとき、異変に気づいたのだ。
香織の上ずった声が聞こえてくる。
「あん……あぁっ……あん……」
「あふぅ……あんっ……」
「やめて……やめてぇ……いけません」
もしかして……
俺はひどくあわてた。
香織が男を連れ込んだのか、と思ったのだ。
だが、男の声は聞こえてこない。
「ねぇ……本当に困るんです。いけません……うぅ」
「私濡れてなんかいません」
オナニーしてるんだ……。
どうやら無理やり攻められているシチュエイションだ。
ときおり、ピチャピチャという音も聞こえてくる。
どうやらかなりアソコをぬらしているようだ。
あの真面目そうな香織が……
俺はパソコンの前から離れられなくなってしまった。
なんとなく動きは判明できそうな暗さだった。
「あああぁ、す、すごい硬い……だ、だめ」
香織の声は少しずつ大きくなっている。
かなり興奮してきているようだ。
「あんっ、あんっ、あんっ、いぃ!」
「あああああ、入れてぇぇ入れてぇぇ。入れてほしいのぉ、あんっ」
「あんっ、あんっ、いい!いい!気持ちいいの!」
攻められていたハズの香織だったが、
途中からは完全にセックスを楽しむ牝に変わっていた……。
「ねぇ……あたしのアソコ、どうなってる?」
「いやぁん、びちょびちょになってるの?ねぇ?ねぇ?」
こんなにも激しく女は変わるものなのか
興奮しながら見ていると、
香織はおどろくべき一言を発した。
「ねぇ、こんなふうにしたの誰?、あなたよ」
「あなたが電車で硬いの、押しつけたからあたし、こんなにビチョビチョになっちゃったのよ、ねぇ、そんなとこにいないで入れたいなら入れればいいじゃない」
心臓が高鳴る!
全部バレていたのか?
だが、そうではなかった。
「あふっ、んっ、ん、ん」
自分の指をなめる香織。
「んっ、ん、ん、ぢゅぱ、美味しいです」
「はっ、はっ、うっ、くっ、いいっ!もういっちゃうぅ!」
「いく!いく!いくいくいくいく!いく!う、上杉部長……
「はぁ、はぁ、はぁ……」
もちろん俺も一緒にいっていた。
香織が感じていた状況は、1週間前の俺のことにたぶん間違いない!
だが、最後に出てきた上杉部長とは誰のことなのか?
こんな状況をほっておいていいハズがない。
よし!
俺はいよいよ香織をヤる時が来た、と思っていた。
部屋の合鍵はもっているが、
それは最後の切り札だ。
慎重に慎重をかさねて
万全を期さねば……。
そんなことを考えていた。
香織の部屋を訪問するのは、来週の金曜日の夜に決めた。
(つづく)